「人」という肩書きで生きる

好きな人を取材して、その人の生き様を紹介しています。

No.9 「還暦ビキニ」始動!60歳で赤いビキニをかっこよく着こなす

来年3月で還暦を迎える竹村啓子さん(59)の後姿はまるで20代。19歳の時に出会ったサーフィンは結婚を機に一度は辞めたものの50代で再開。そして同タイミングで30年間の会社員生活から一転、スポーツインストラクターデビューをした。

「60歳になっても赤いビキニを着てサーフィンしたい!」いつ会っても明るくて元気な彼女のパワーは一体どこからくるのだろうか。

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元気の秘訣はいたってシンプル

59歳でこのスタイルと体力を保つにはやはり秘訣がある。秘訣といってもとてもシンプル。食に気を付けること、運動すること、そして遊ぶこと。この3つだ。

 

まず食事。ある日のメニューを聞いてみた。

「朝は食べないです。それは1秒でも長く寝ていたいから(笑)。昼はレッスン後にたんぱく質と野菜メインのランチ。夜は玄米、納豆、目玉焼きかな」

間食はしない。外に出ていることが多く、間食をする暇がないし、動いていると空腹を感じないそうだ。甘いものも食べない。「ドーナッツ食べるんだったらおにぎり食べたい」

健康的な食事内容だが、昔からではなく、50歳まではほぼ肉食オンリー。「吉野家の牛丼を毎日食べるほどだった」と言う。それがヨガを始めてからゆるいベジタリアンになり、牛肉と豚肉を食べなくなった。それ以来、長年の悩みだった便秘と花粉症が解消されたと言う。

 運動は、筋トレは週に1回30分のみ。血流の流れが良くなり、姿勢も改善された。その代わり、生活上に運動を取り入れている。普段は階段を積極的に使い、上りは一段飛ばしで、下りは駆け足で降りるのが習慣。以前、第1回インタビュー登場の葛西むつ美さん(同じくスポーツインストラクター)でさえ「早すぎてついていけない」と言っていたほどだ。

最近は「30日スクワット」を行っている。初日は50回からスタートして、毎日5回ずつ増やしていくというものだ。ということは、一体30日後は何回になるのだろうか…

「250回くらいかな」とさらりと言う。「なるべくスピーディーに行うのがポイントです」

 

そして遊びも存分にする。夏場はサーフィンのインストラクターとしても活動。現在は、学生サーフィン連盟のOGとして運営に携わり、若いサーファーたちのサポートをしている。大学時代の旧友と共に、楽しく行っているそうだ。

「親が楽しそうに遊ぶのは、子ども達にとっても良い影響かなと思います」

旦那さんとも、サーフィンをきっかけに出会った。

夫婦円満の秘訣は「やりたいことをやってあげること。やってもらうことに期待しない」

「子供を成人まで育てるという社会的役割は果たしたので、余生は好きなことをしながら世の人のために尽くしたいです」

母として、妻として、そしてひとりの個人として、役割を全うしながらも楽しんでいる姿が目に浮かぶ。

 

まる一年ひとりぼっち

仲間が多く、いつも元気でキラキラしている竹村さんだが、高校時代に転機があった。高校1年までは仲間も多く楽しい学校生活を東京で送っていたが、高校2年の時に大阪へ転校したのを機に生活は一変する。転校生というものは最初、一定の距離を保たれるもの。その距離を竹村さんは自ら縮めようとしなかった。思春期のプライドだろう。その結果、周りも近寄ってこず、まる一年一人で過ごした。その時、初めて感じたことがある。

「友達って自然に出来ないものなんだ」

そして、高校3年生になって、「友達を作る努力」をした。できた友達はひとりだったけれど、新たな一歩だった。

「ひとりぼっちだったけど、あの孤独な時間は意味のある時間だったと思います。ひとり遊びも覚えて美術や音楽を深く知りました。何より一人でいることが平気になったのが大きかったです」

 

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後姿も若々しい

 

 

『還暦ビキニ』完成

「今は生きていることが楽しい」と話す竹村さん。今年の6月からフリーランスになった。やりたいことは2つある。「1つは40~50代の女性がビキニを着られるようになること。もう1つは太りたい人をサポートすることかな」と言う。

「特に若い男性に多いんですが、あばら骨が見えるほどガリガリでジムに行くのも恥ずかしいと思ってしまう人がいます。そういう人が健康的に体重を増やせるよう指導をしていきたいと思っています」。1対1のパーソナルトレーニングも行っているので、周りを気にせずに体作りをしたい方にはぴったりだろう。

 

そして8月末に電子書籍を完成させた。『還暦ビキニ-還暦に赤いビキニを着ませんか?-』だ。約半年かけて仕事の合間に書き溜めたものを、周りに協力してもらって一つの作品に仕上げた。パッケージも知人のデザイナーに頼んだ。「タダで作ってもらっちゃった」と無邪気に笑う。筆者も拝読したが、ボディメイクだけでなく、体に良いおすすめのレストランや心の持ち方など幅広い内容で書かれていて読み応えがあった。これから本格的に売り込みをしていく予定だ。

 

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「60歳になったら赤いチャンチャンコより赤いビキニがいいな。でも、赤いビキニって意外とどこにも売ってなくて」

確かに、赤一色のビキニはあまり見かけないような…見つけた方がいたらご一報いただきたい。

 

 

【プロフィール】

 

座右の品:『スターウォーズ

ヨーダの教えが大好き。」

生年月日:1956年3月17日生まれ うお座 O型

経歴:羽田高校→北淀高校→独協大学経済学部→バッグメーカー →アパレルメーカー

   →専業主婦→生命保険セールス→図面作成会社→スポーツインストラクター

家族構成:夫、娘(28)、息子(26)

趣味:サーフィン

特技:快食・快眠・快便! あとはスクワット。

好きな場所:海。特に水が綺麗で人の少ない波乗りのポイント。

「でも、自分の気持ちが心地よければ、街の雑踏の中でも好きかな。」

好きな言葉:考えるな、感じろ

尊敬する人:ヨーダスターウォーズ

好きな食べ物:炭水化物、揚げ物、ビール

嫌いな食べ物:牛乳

HP:ブログ『KEIKO Nani Aloha』http://keiko-t.blogfit.jp/

筆者とのつながり:

葛西むつ美さん(http://bubbagump-0404.hatenablog.com/entry/2015/03/24/171416

の紹介

 

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「サーフィンの時はボードが滑ってしまうから日焼け止めは塗らないの」

筆者(色白)と比べると…差は歴然!

 

(デスク:浜崎 空 執筆:小野 ヒデコ)

 

<小野ヒデコプロフィール>

おの・ひでこ 1984年生まれ。自動車メーカー、アパレル会社勤務を経て2015年にライターに転身。